先月末、橘玲氏の「黄金の扉を開ける賢者の海外投資術」の続編2冊が同時発売されました。
「究極の資産運用編」はポートフォリオの組み方、海外ETFの購入についての実践編。
「至高の銀行・証券会社編」は海外金融機関での口座開設についての実践編。
どちらも「実践編」で、理論的なことは余り書かれていません。RPGの攻略本のようなもの、といえば分かりやすいでしょうか。読むのに時間はかかりません。
「究極の資産運用法」について。投資を一切やっていない私が言うのもなんですが、海外市場が軒並み下げている現在は素人には難しいのではないかと思います。特に、インデックスファンドやETFは買って転がしておくだけ、というのが売りですが今のような調整局面では「取りあえず買っておけ」というのは難しいでしょう。勿論、経験を積んだ方であれば「値下がりしている今がチャンス!」というケースは数多く転がっているのも事実。今が絶好のチャンスでしょう。
「至高の銀行・証券会社編」は実際に足を運んで集めた情報、実際にトライして評価された金融機関が集められているので価値が高いと思います。私のように「今投資をしなくても、いずれ」という方は勉強しておいて損は無いでしょう。
この2冊を読んだあと、改めて先発の「黄金の扉を開ける賢者の海外投資術」を熟読されると良いでしょう。私も今、読み返しているところです。さらに理解が深まります。続編から入るのは余りお勧めしません。橘氏の一貫した主張として、「日本人の持ち家志向は決して賢くない投機である」という考えがあります。これには賛否両論があると思います。年収数百万のサラリーマンが3000-4000万の住宅ローンを組むのはレバレッジをかけた立派な投機であると。持ち家は契約書にサインした瞬間から価値が下落し、20-30年もすればゼロになってしまう。そんなの美味しくないでしょう?というものです。確かに、経済的合理性は欠いています。しかし(ここが一種の「宗教」または「洗脳」であるといえる)、日本人は「みんなやってるから・・・」という言葉に最も弱いのです。みんながローンを組み、持ち家志向なのになんでうちは?と家族に迫られたら抗いきれないお父さん。そういわれてしまえば仕方ありません。地面や家屋を買っているのではないのです。「横並びの安心感、家庭の平和」という金融商品をローンで買っているのです。かく言う私もそうです。
先日ご紹介したリチャード・クー氏の
「日本経済を襲う二つの波」の過去記事をご覧下さい。 これを読みながら、橘玲氏の主張を改めて思い出しました。日本人の「持ち家志向」の非合理性を。以前の記事に書いたとおり、この本の最終章、「どうして日本人は豊かになれないか」は目から鱗が落ちました。日本では湿気の多い気候のせいかも知れませんが、家の寿命が諸外国に比して極端に短命です。日本では20年もすれば家の資産価値はゼロ。欧米では家の価値は基本的に永遠です。その前提があるから彼らは徹底して家の手入れをします。彼らは日本人より所得が低いけれども家のために多額の出費をせずに済むので優雅に暮らしている一方、わが国では長年働いて買った家の価値は無残にも消失してしまうのです。その繰り返しだから豊かになれないのだという主張です。一生懸命稼いでお金を貯めても、貯金箱に大きな穴があいているようなものです。すぐには無理でしょうが、日本人全体の幸福のため「不動産の価値が下落しないシステム」を構築していくべきではないでしょうか。