
日本を代表する製薬メーカーである武田薬品工業の株価が持ち直している。
5/27、米バイオベンチャーのアルナイラム・ファーマシューティカルズと契約し、「RNAi医薬」の技術やノウハウを使う権利を取得したと公表した。今後5年間、がん領域や代謝性疾患領域の医薬品を開発する場合、アルナイラムが持つ技術を使えるアジアで初めての企業となる一方、武田薬の製品強化にもつながる。
>9日に公表した今09年3月期の連結経常利益予想は、米国のバイオ医薬品会社「ミレニアム社」の子会社化に伴う無形固定資産の償却費負担の拡大や、研究開発費の増加が利益を圧迫し、前期比51.5%減の2600億円と2期連続減益を見込んでいる。・・・チャートを見るとこれは悪材料視されていないようですけどね。
好材料は、これか。
食後過血糖改善剤「ベイスン®錠」にかかる
耐糖能異常を対象とした第3相臨床試験成績について
〜第51回日本糖尿病学会で2型糖尿病の発症抑制効果について発表〜
5月24日、東京で開催された第51回日本糖尿病学会において、食後過血糖改善剤「ベイスン®錠」(一般名:ボグリボース)にかかる耐糖能異常を対象にした第3相臨床試験の成績が発表されました。生活習慣の改善に加えて薬物治療を行うことにより2型糖尿病発症が抑制されることが、日本人を対象とした臨床試験で初めて認められました。これって、STOP-NIDDMの日本版ですが、「日本人でのデータ」ということに意味がある。ベイスンは後発品がたくさん出てますが、こういう効能を追加することで先発品としての付加価値を高めていくのでしょう。
(参考)STOP-NIDDM試験は、欧州と北米の耐糖能異常(IGT)者を対象に、血糖降下作用を持つα(アルファー)グルコシダーゼ薬のアカルボース(わが国での商品名:グルコバイ)の糖尿病発症予防効果をみたプラセボ対照無作為化試験(関連トピックス参照)。実薬服用群では3.3年で25%、2型糖尿病の発症が抑制されることが判明し、IGTが“介入可能な病態”であるとの認識を深める結果となった。おまけ。現在フェーズ3で、期待が持てるものが2つある。武田はまだまだ大丈夫か。特にDPP-4阻害剤は夢の薬と言われてきましたから、市場に出れば非常に大きなインパクトがあるでしょう。
これが期待の新薬!!
米国における2型糖尿病治療薬SYR-322の申請について
当社の100%子会社である武田グローバル研究開発センター株式会社(米国イリノイ州)は、このたび、米国食品医薬品局(FDA)に、2型糖尿病治療薬SYR-322 (一般名:alogliptin)について販売許可申請を行いました。SYR-322は、武田サンディエゴ株式会社(米国カリフォルニア州、当社の100%子会社)が創製した1日1回投与のDPP-4阻害薬です。
DPP-4阻害薬は、インスリン分泌を高めるホルモンであるグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)(※)とグルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(GIP)(※)を選択的に分解する酵素、ジペプチジルペプチダーゼ(DPP-4)を阻害することにより、それらの血中濃度を維持して血糖値を下げる新しい作用機序の経口糖尿病治療薬です。
今回の申請資料には、全世界220ヶ所で実施された6本の第3相臨床試験結果が含まれており、その登録例数は2,000名以上にのぼります。本試験では、SYR-322の安全性と有効性が、単独療法ならびに、スルフォニル尿素剤、メトホルミン製剤、チアゾリジン系製剤、インスリン製剤との併用療法において検討されました。その結果、SYR-322が2〜3ヶ月の平均血糖値を示す指標であるヘモグロビンA1cを有意に下げること、忍容性が高く体重増加をもたらさないことに加え、プラセボと比較して
低血糖を増加させないという知見が得られました。
当社代表取締役社長 長谷川閑史は「米国におけるSYR-322の申請は、当社が持続的成長を果たす上で特に重要な糖尿病領域において、グローバルリーダーとしてのポジションを強化するための重要なステップです。一日も早く、本薬を2型糖尿病治療の重要なオプションとして、患者さんおよび医療関係者の方々にお届けできることを期待しています」と述べています。
(※) GLP-1およびGIPは食物摂取により消化管から分泌され、膵臓のβ細胞を刺激し、インスリン分泌を増加させるとともに、β細胞自体の機能を改善することが確認されています。さらにGLP-1については、膵臓からのグルカゴンの分泌を抑制することにより、肝細胞での糖の産生を抑制するとともに、食欲抑制作用を有することが知られています。もうひとつはこれ。
高血圧症治療薬TAK-491の欧米における第III相臨床試験開始について
当社が創製した高血圧症治療薬TAK-491について、このたび米国および欧州で第III相臨床試験を開始いたしました。TAK-491は、血圧を上げるホルモンのひとつであるアンジオテンシンIIの働きを阻害する新規アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)です。
現在販売されているARBと比較して、TAK-491はより強力な血圧降下作用およびインスリン抵抗性改善作用、タンパク尿減少作用を有することが期待されています。
当社の医薬開発本部長 宮本政臣は「現在販売中のブロプレス(一般名:カンデサルタン)の後継品であるTAK-491の第III相臨床試験開始を嬉しく思います。TAK-491は、現在販売中の糖尿病治療薬アクトス(一般名:塩酸ピオグリタゾン)、さらには現在第III相臨床試験中であるDPP-4阻害薬SYR-322、スクアレン合成酵素阻害薬TAK-475などとともに、当社の最重点疾患領域である高血圧症、糖尿病、高コレステロール血症などの、生活習慣病領域フランチャイズを強化する製品として期待しています」と述べています。